糖質制限をするとどうなる?ライザップの食事制限を紐解く
ライザップのトレーニング期間中は、同時にライザップ流の食事制限を強いられることになります。
ライザップの食事制限は、食事の量を極端に減らすようなものではありません。基本的には糖質制限に分類されるもので、更にそこにライザップ流のエッセンスを加えたオリジナルメソッドです。
では、このベースとなっている糖質制限とはどのようなものなのでしょうか。もちろん、読んで字のごとく糖質を抑えることはお分かりかと思いますが、それによって身体にどのような変化が現れるのかを理解しておくと、よりダイエットが捗ることでしょう。
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そもそも糖質とは
糖質制限を理解するにはまず、糖質について知る必要がありますね。
食の三大栄養素はご存知かと思います。タンパク質、炭水化物、脂質の三つですね。もちろんこの三つは、人間の身体には必須な成分で必ず摂取しておかなくてはいけません。
そして、糖質はなんなのかというと、三大栄養素のうちの一つ、炭水化物の一部なのです。
炭水化物とは、糖質と食物繊維で構成されています。つまり「炭水化物-食物繊維」なのです。ご存知の方も多いかと思いますが、食物繊維は体内に吸収されないので、摂取しても問題はありません。問題なのがこの糖質で、これを摂りすぎてしまうと様々な弊害が起きるのです。もちろん太ってしまうこともそのうちの一つです。
糖質の多い食べ物
それでは、糖質はどのような食品に多く含まれており、どの食品を避けることで糖質制限ができるのでしょう。
今更説明の必要もないかもしれませんが、糖質とは炭水化物の一部なので、炭水化物が多く含まれている食品がそれにあたります。つまり、ごはん、パン、麺類などです。
よって糖質制限を行うとこれらの主食類を抑えるのが一般的になってきます。ただし、糖質の多い食品はこれだけではないので、注意が必要です。
野菜なら大丈夫だろうと安心しがちですが、野菜や果物の中にも糖質の多いものは少なくありません。代表的なのが、ジャガイモや、かぼちゃなどのホクホク系。また意外にもごぼうやにんじん、玉ねぎなどにも糖質が多く含まれています。根菜系は比較的糖質が多いと覚えておくと良いかもしれません。
果物は基本的に甘いので糖質が多いと覚えておきましょう。中でもバナナやパイナップルなどは飛び抜けて糖質が多いので注意しましょう。もちろんお菓子もNGです。
一昔前に流行した朝バナナダイエットが印象に残って、バナナはダイエット向きの食材という認識の人も多いかと思いますが、糖質制限の観点から見ればバナナはご法度なのです。
野菜の中でも葉物野菜は糖質が少なく糖質制限中は積極的に摂っていきたい食材です。中でも糖質が少なく、満腹感を得られることで人気なのがブロッコリーです。糖質制限ブームが続いている現在、お米をブロッコリーに変えられる飲食サービスも登場するほどです。
ごはんやパン、甘いものが食べられないのは、慣れるまでは苦痛に感じるかもしれませんが、肉や魚に関しては、量をあまり気にせず食べることができるので、従来のダイエットに比べれば精神的な負担は少ないのではないでしょうか。
糖質制限の仕組み
それでは、糖質制限をすることで何故痩せるのか、そのメカニズムを見てみましょう
まずは、逆に何故、糖質を摂ると太ってしまうのかを理解するとわかりやすいです。
当たり前ですが“太る”とは、身体に余計な脂肪が蓄積してしまうことを言いますが、糖質は、脂肪の燃焼を妨害する働きを持っており、さらに脂肪を作るお手伝いをするのです。
脂肪の燃焼を妨害する
運動をすれば痩せるのは、言うまでもありませんが、それは、運動をすることによって脂肪が燃焼されるからですよね。さらに、人間の体は運動をせずとも生命活動を維持をするために常にエネルギーを消費します。
これを基礎代謝といいますが、摂取したエネルギー(カロリー)が基礎代謝量を下回れば理論上は運動をしなくても痩せることができることになります。しかしそんな単純ではないのが、人間の体なのです。
人間は、常にエネルギーを消費しますが、必ずしもそれが脂肪燃焼に繋がるわけではありません。脂肪は体にとって、最高の燃料ではありますが、脂肪だけが燃料ではありません。摂取した糖質も体にとってはエネルギーとなるのです。そして、厄介なことに、人間の体は、糖質→脂肪の順でエネルギーを消費していきます。
つまり、体に糖が残っている限りは脂肪は燃焼されず、糖を消費しきってはじめて脂肪が燃え始めるのです。普段のエネルギー消費が糖の段階で止まっていれば、いつまで経っても蓄えられた脂肪が体に残ったまま。さらに糖も消費しきれないと、残った糖がそのまま脂肪に変わるというダブルパンチを浴びることになります。
これで糖質を抜くとどういうことになるかがわかったと思います。そもそも糖質を摂取しなければ、第一のエネルギーが体の中にない状態になるので、エネルギーを使うにあたって直接脂肪を燃焼しはじめるのです。
しかし、後述しますが、体内に糖が全くない状態を作るのは危険ですので、このあたりの調整は必要となります。
血糖値が急上昇する
食事で糖質を摂ることによって、血糖値(血液内の糖の割合)が急上昇します。血糖値が上昇すると、血糖値を下げるためにすい臓からインスリンという物質が排出されます。
インスリンが出ること自体は、必要な作用なのですが、このインスリンというのは、ダイエットにとってはあまり嬉しい働きをしてくれません。
インスリンは、血糖値を下げる働きをしますが、その過程で、体の中の糖を脂肪に変えてしまうのです。つまり糖質は脂肪を作るお手伝いをしてしまうわけです。
血糖値を急に上げないようにするには、空腹状態からいきなり、米や、お菓子など糖質を多く含んだものを食べないことが重要です。スープ、野菜、お肉から食べて糖質を摂る場合は、なるべく後半に食べるようにすると、血糖値が緩やかに上昇し、過剰なインスリンの分泌を避けることができます。
GI値
ならば単に糖質を抑えれば良いのかというとそうではありません。更に、糖質が多い食材はNGで糖質が少ない食材ならなんでも良い、というわけでもないのが糖質制限の難しいところ。
食品にはそれぞれGI値というものがあり、このGI値がダイエットには非常に重要になってきます。
GI値とは、グリセミックインデックスの略で、摂取したときに血糖値が上昇するスピードを数値化したものです。GI値が高ければそれだけ血糖値が急上昇するということです。つまり、GI値の高い食品を摂取すれば、それだけインスリンが分泌されて、糖が脂肪に変わりやすいということです。
例えば、精白前の米と精白後の米は、同じ米なので、どちらを食べても糖質制限の観点からすると、同じのように思えますが、精白前の米のほうがGI値が低いので、ダイエットには向いているのです。このように一概に糖質=NGではないということも覚えておかなければいけません。
GI値が高い食品として、パン、お米(白米)、じゃがいも、うどんなどが挙げられます。
逆に主食となるもので、意外にGI値が低いのが、玄米、そば、中華麺、春雨などが挙げられます。ただしこれはあくまで、主食となるものの中で比較的GI値が低いもので、食品全体で見るとやはりGI値は高めなので、食べすぎは禁物です。
糖質は必要な成分
糖質を全く摂取しなければ、脂肪は良く燃えるようになりますし、新たな脂肪が付く機会を減らすことができます。ですので糖質を全く摂取しなければ、効率良く痩せることができることは事実だといえます。しかし、良く言われていることなので、ご存知かと思いますが、糖質を完全に抜いてしまうのは、非常に危険です。
前述の通り、糖は人間にとっての大切なエネルギー源です。現代人は、糖質を摂りすぎている傾向があるため、糖質制限によるダイエットは注目されていますが、やりすぎは禁物です。また、糖質制限は単に炭水化物を抑えれば良いということではなく、正しい知識を身につけた上で行わないと危険なうえに思うような効果が得られません。
ちなみに糖質は、体だけではなく、脳のエネルギーでもあります。当然、体内から糖質が不足すれば、脳にエネルギーが回らなくなり、思考力や集中力の低下も引き起こし、学業や仕事にも影響しかねません。また、フィジカルな面でも階段の上り下りがつらくなったり、急にめまいがして倒れたりする例も多く報告されています。
糖質制限は糖質を摂らないのではなく、あくまで糖質を必要な量に留めることであると覚えておきましょう。また、糖質制限は、自己流でやらずにプロの監修のもと行うようにしましょう。
ライザップでも糖質制限を行いますが、ライザップにはプロの管理栄養士が常駐しており、担当トレーナーも特別な研修を受けているからこそ安心して効果的な糖質制限を行うことができるのです。